ロシアの文豪ドストエフスキー誕生200年

ー読売新聞朝刊 11月29日(月)考える広場ー

小説に登場するのは 〜心病んだ人間たち 健康と病の間に境界線はほとんどありません。健康でありつつ悩んでる。そういうニ極性を持つ人間の精神の極限を彼は描きました。

彼には二つのトラウマ(心的外傷)がありました。一つは父の死。「カラマーゾフの兄弟」は「父親殺し」の物語です。

もう一つのトラウマは、国家反逆罪で死刑判決を受けたことです。

彼の究極のテーマは「見放し」です。19世紀ロシアは、家族が壊れ、幼児虐待や家庭内暴力。

若い世代の善悪の感覚は崩壊。

格差 分断の現代にも通じる問題です。

今回のコロナ禍は「全ての人間は罪人である」という「カラマーゾフの兄弟」のテーマを思い出しました。〜名古屋外国語大学長 亀山郁夫氏