名古屋市昭和区にあるこの社会福祉法人 AJU自立の家を訪問した時のことです。どの部屋に入っても、車いすの人々がいます。その中でも、足の指でパソコンを操作して、作業を進めている方を見た時に、深く驚きと感動を覚えたことを今も忘れられません。

 この建物の中には、三笠宮寬仁親王の写真が飾られています。現在は、亡くなられた親王に代わって親王妃、信子妃殿下が引き続き支援されています。

 1990年、自立の家が設立され、30年経ちました。

三笠宮殿下が言われた言葉に「世の中は福祉にそんなお金は出てこない。寄付をしてもらう。お金をいただくのだから、自分で出向かなくてどうする」と言われたそうです。

 福祉への支援は、他の国に比べて、手厚いものではありません。

目に見える障害でさえ、そうなのですから、目に見えない発達障害などは、もっと大変です。

五体満足でありながら、周りの人には「わがまま」と言われたり、「怠け者」と言われたりします。また「変人」と言われたり、家族にも飽きられたりします。

 重い障害の人々がこんなに一生懸命、自分の動く体の部分で働いていらっしゃるのを見ると、その日の気分で、たとえば雨が降る日は外に出ないといったこともある人を見ると、どうしても「わがまま」の言葉がでてしまうのも分かります。

 修学旅行が済んで、またスタッフ、生徒みんなが学園にもどってきました。小学生の遊び相手になっています。「もういいかーい」と言う声に、パパさんが「もういいよ」と答えます。

駐車場をひとりの高校生がゴミ袋いっぱいに流木を抱えて歩いています。10月5日、6日の清掃活動に参加できなかった生徒が、海岸に行って拾ってきました。「ママさん、すごいゴミになっているね。台風19号の影響だね」と言いました。1824人が参加した海岸清掃。本当にきれいになったのですよ。でもまた流木でいっぱいです。ペットボトルは少なくなりました。これはとてもうれしいことです。

 フリースクール無料化が可能になれば、多くの不登校の生徒を救うことが出来ます。

福祉には十分な支援がない国です。こうして、三笠宮殿下の言われた言葉から、自分で動く行動として、今は自販機を設置をしました。支援は待つものではなく、自分たちで動く、社会貢献の道を探りながら動きます。