この報告を見て、深い悲しみを覚えます。

私がまだ現場にいて、斉藤喜博先生の教授学を学び、授業の研究をしていたころでした。研究授業参観に行って、とても感動的な授業をされていた先生が、その後入水自殺をされたとのニュースを聞いた時、大きなショックを覚えました。あの授業なら、きっと生徒たちもすごく理解できて、素晴らしい先生だったはずなのに、同僚の先生方からのいろいろな言葉で悩まれていたとのことです。

 また福岡県の先生は、生徒が他の先生方に砂浜に連れて行かれ、首だけ砂の上に出し、スコップで埋められた事件を「こんな指導はない」と外部に漏らしたかのごとく責められ、裁判にも負け、ご自分の体の変調にも気を使う時間もなく、亡くなられた事件では、その後ご主人から「私もフリースクールを始めました」と連絡がありました。

 教師の自殺は、もう長い間、ずっと続いていたのです。

私自身も、44対1のあの時、「なぜ5日間も続いた授業参観の保護者のアンケートには、多くの賞賛の意見ばかりで、先生や学校の問題を訴えた意見が一つもないのですか?私はもう今日の職員会が最後です。事実を教えて下さい」と言った時、「沓名先生は強いです。他の先生方にあのような保護者の意見を見せたら、みんな明日から登校拒否になります。だから私がアンケートはすべて廃棄しました」と答えが返ってきました。3役の先生の意見だとか。

 「沓名先生がいると、組織の邪魔になる。沓名先生がいると警察が呼べない」と言われて退職した、2001年3月の職員会。

 昨日のことは、少しずつ認知症の傾向で、忘れがちなのに、その時のことは不思議なもので、まるで最近のことのように覚えています。44人の教師対私1人。誰も味方になってはくれない悲しさ。そして、生徒が暴れるのは「沓名先生が扇動している」とまで言われたあの頃。確かに強くなければ、自殺していたかもしれませんね。

 強かったのかなあ。私はただ生徒が好きだし、授業が好きだっただけですが。

先生方が自殺する、子ども達が自殺する、このような悲しい事件があってはならないのです。