毎年、このゆずりは学園を卒業していく子ども達、そして保護者の方から、お手紙を頂きます。

「人目を気にし、なかなかみんなの中に入っていけない子でした。今思うと小学生のころ、いじめにあったのも手先が不器用で、みんなと同じことができず、それでいじめられていたようなところがありました。もっと、あの子のことを考え、話を聞いてあげればよかったと反省しています。フリースクールに入って、まず一番に思うことは笑顔が出るようになったことです。暗い何ともいいようもない顔をしていることが多かったのが、家で家族と話すようになりました。先生からいただいたフリースクールでの写真はどれも本当にいい笑顔でして写っています。高校へ進んで、自分から学級委員になったようです。本人も自信がついたようです。ありがとうございました。」

 これは、まだゆずりは学園の前の池の原フリースクールとして、高校の部がない時の保護者の方からの手紙です。

 この頃は、元気になると小学校へ、中学校へと子ども達を学校という世界にもどしていたころです。しかし、だんだん小学校へもどしても、また帰ってくる子ども、中学校へもどしてもまたもどってくる、そんな子どもが一人、また一人と増えてきました。高校の部を作る必要を感じて、通信制高校のサポート校を作りました。また大学に進学しても、7日間で帰ってくる生徒もいましたので、大学のサテライトキャンパスを作りました。

 海と森と仲間作りの子ども達の居場所です。海にも森にも歩いて3分くらいです。

今日も、一人の生徒の家庭訪問でした。するとお母さんから、メールが届きました。

「今日は本当にありがとうございました。先生のような素晴らしい方にお会いできたのも子どものおかげですね。油断はできませんが、今日の先生の与えてくれた熱を冷まさないように、親としてサポートしていきたいと思います」

 母の愛は、いつの時代も同じです。

今日も3年ぶりに運行して、ゆずりは学園のバスケット場に停まるぐるりんバス。その車体には、ゆずりは学園の卒業生が、サーフィンしている大きな絵がラッピングされています。

今は、そのバスを見るたびに幸せを感じます。乗りたくても乗れないバスが1日に何便も通って生徒たちを連れてきては、送って行ってくれます。

 フリースクールの通う生徒は出席扱いの学校がほとんどです。でもまだまだ出席を認めない学校もあります。もうしばらく、強い先生になります。