誰でも、心に響く音楽があるのでしょうが、私の心に響く声は小田和正さんの声です。このクリスマスの夜、ふとテレビで流れているのを見つけました。

 もう15回になろうとしているゆずりは学園の卒業式が来年の3月12日にあります。毎回、この卒業式に流す思い出ビデオがあります。

 2001年にスタートしたフリースクール、そこから毎年子ども達がこのフリースクールや通信制高校を出て社会に向かっていきます。毎回、その子どもの顔、生徒の顔は違います。いろいろな思い出を作り、さまざまな感動や時には悲しみや心配や不安などがありますが、この卒業式にはそんな1年、1年を子ども達がこのゆずりは学園に入学してから卒業して行くまでの日々を小さな物語にして、この小田和正さんの音楽や中島みゆきさんの音楽に添えて、生徒たち、保護者の方に見てもらいながら、卒業式、修了式を行ないます。

 今年もまたそんな時期になりました。

「この日のこと」という曲があります。その歌詞の中に「広い海の中に浮かんだ小さな船のように」と言うフレーズがあります。同じ時を同じ時間を同じ場所で過ごした偶然の仲間たち、人生は一度だけです。この広い地球の中で、出会う確率は本当にわずかです。昨日の東愛知新聞に掲載された「クリスマス会」の記事、森の中のほんのわずかな時間のショット、でもそこにいる瞬間は広い海の中で、一瞬浮かぶ船ではありますが、声も聞こえ、顔も見ることができる時間です。

 一人の生徒が言いました。「新聞って面白いね」

私がカジノ関連の一人の政治家が逮捕された話をしたら、「知ってる。新聞にも出ていたし、ニュースにも出てたから」と即答で答えました。

 一つの出来事が新聞との出会いを作ったのですね。どこにそんな出会いの場があるか、分かりませんが、子ども達、生徒たちが確実に1歩前に進み、成長する「この日のこと」を大切に積み重ねていきたいと思います。