1人の生徒から電話がありました。

初めてのことです。

「少し 話したいことがあります。」

「親が嫌いです」

しばらく、無言です。

何かあったのでしょうね。

電話ではなく、直接お話を聞くことにしました。

日程を決めます。

「待ってください。メモします」

「話すのが苦手です。」

「だから、友達もいません。いつも1人です」

「1人はさびしいです」

 

私が言いました。

「君はひとりじゃない。ママさんがいるから。」

心の中の叫びが聞こえた気がしました。

 

見えない心の中の隙間がふえてきているように思います。

目の前の人もマスクで、顔の表情が分かりません。

そのマスクでますます心の中が見えなくなっています。

不安も悲しみも苦しみも、家族にも見えないものがあります。

 

年明けに生徒と会うことになりました。

学園はまだ冬休みです。

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