一人の女性医師は、この渥美半島の女性の体を守ってくださった方です。94歳になられたとのこと、

彼女をテーマにした映画をお手伝いしたこともあります。産みつきになっても、畑に仕事に行かされた時代がありました。また出産して、まだ何日も経たないのに、畑仕事に行かされた時代。女性の体を真剣に大切にすることの必要性を説いた女医の北山先生。

 崋山先生の住まれたこの田原は教育と文化の優れた都市として、この渥美半島に移住された国見医院の先生の奥様、92歳。物静かで、上品で、多くの深い言葉で話されます。

ふと、こんな素敵な女性との出会いが、今日ありました。

11月30日。私達の出版した、「海と森に囲まれもうひとつの学校 発達障害の子ども達にも寄り添って」のPR版が田原市内の新聞販売店から出されました。新聞を取っている家庭に配布されたのですが、枚数としては約10000枚くらいでしょうか。その読者の方々から、本の購読希望やら、またゆずりは学園を観たいとの電話。

 92歳だから、もう自分では運転は出来ないけど、一度観てみたいと言われます。今日は時間が取れる日でしたので、お迎えに伺いました。すると、受付の看護婦さん達から、新聞を見ましたと言われました。久しぶりに外に出ましたと言われます。森の中に案内いたしました。ゆずりはの木々を見ていただきました。ウッドでしばらく海を見ながら、お話します。ふと北山先生の話題になりました。昔からの友人だと言われます。北山先生のクリニックはゆずりは学園から、車で10分です。早速北山先生に電話しました。在宅されているとのこと。

 北山先生のご自宅での15年ぶりの再会です。お二人がその空白の時間を埋めるかのように、抱き合い、手を取り合い、わずか40分ほどでしたが、本当にすばらしい、この渥美半島の荒波を抜けてきた先駆者の二人の女性の会話を目の前に見て、お話を伺うことができました。

 1冊の本が、お二人の長い時間を瞬間移動させてくれました。

午後は、この本の出版、また教育講演会の開催に助成してくださった神野財団の事務所にお礼に書籍を持っていきました。すると、もうすぐ印刷する会社の本でしょうか、それを見せて下さったのですが、そこにはゆずりは学園卒業生が、パンフレットに掲載されています。すてきな活動をしている写真です。

ひとり、またひとりと子ども達が社会に出て行っています。卒業生がもう会社を設立して頑張っています。とてもうれしいことです。少し寒くなった今日ですが、ゆずりは学園のウッドにも、そして豊橋の会社訪問にも、心温まる時間を過ごすことが出来ました。

 まだ、あと20年。やっとお二人の年齢になるのですが、さすがにその年齢までは頑張れないけど、大きな元気を頂いた一日でした。