フリースクールの教室で、話し合うことにしました。夜、11時です。

恐ろしい形相で、母親は家に帰れと叫びます。

子どもは、「嫌だ」と静かに言います。

 

今まで、自分の思い通りになってきた子ども。

小学生だった子どもを捨てて、ある日 勝手に家を出ていった母親。

  「中学になって、だってママさん、8年も僕たちを捨てて出ていって」

  「僕たちはじいちゃん、ばあちゃんにずっと育てられて」

  「兄ちゃんは、学校に行けなくなって」

 

8年後に突然家に戻ってきた母親。

  「ばあちゃん、じいちゃんと一緒に暮らしたかった。でも、ダメだった」

 

子どもは、「複雑な家庭です」と静かに私に語っていました。

「嘘ばかりつきゃあがって」「自分一人で生きろ」「何度もだましゃあがって」

フリースクールの机を蹴り、椅子を倒し、叫び、わめき、たどたどしい日本語。

 

深夜に、親子げんかです。

「高校は必ず卒業させます」と、私が言いました。

 私たちの学校に通っているのではないから、やや複雑です。

子どももアルバイトを明日から始めるからと言っても、何を言っても

自分のことしか話さない母親。異国に住み、文化も環境も違う中で

大変だったとは思います。

子どもを信じることをせず、自立を促すことを支えてくれず、反抗することは許さず、

すべて子どもは、自分の持ち物と考えて、叫ぶ母親。

 

子どもを産むことは出来ます。しかし、母親の資格はないと私は思います。