このフリースクールを始めて、19年。

この間、多くのお母さんたちに会ってきました。

その中で、母子登校の言葉は、長い間ずっと聞いてきた言葉です。多くのお母さんが「学校に来るときはお母さんも来てください。学校ではお宅のお子さんを見ることができません」

 私のゆずりは学園に来た一人の女の子。そして今はもうこの世界で、彼女の声を聞くことも顔も見ることができない女の子。彼女もずっと小学校1年の時から、お母さんと母子登校でした。

 多くのお母さんたちの心の中から出てくることばです。

「お母さんの育て方が悪い」「家で甘やかしているからこんなにわがままになる」「学校では、他の子どもの迷惑になるから、ずっと授業中も子どもの横に座っていてください」「他の子はできるのに、すぐ泣いたり、下を向いて何も答えない」「何を聞いても答えない。そして先生をにらむ、生意気な子です」「自分の好きなことはやるけど、嫌いなことはしない。わがままです。」

 小学校に入って、こんなにも学校が苦しいなんてと多くのお母さんが言われます。作文が苦手な子どもがいます。1行書くのも大変な子どもがいます。それでも、毎日生活日記を書かせる先生がいます。どの子も同じ扱いはいけません。みんなそれぞれ違っていいのです。

 前のブログに「学校に行って、学んだこと、分かったことは自分が馬鹿だということだけだった」

という青年を書いたことがあります。教師として、こんな悲しいことはありません。こどもたちをほめてください。それぞれが違ってそれですばらしいのです。他の子と比べないでください。苦手な面はだれでもあります。他の子とおなじようなことを強要しないでください。そしてお母さんを責めないでください。個性ある子ども達は、それぞれの進む道を見つけてあげると大きく伸びていきます。