遠くから、来ました。緊急性を感じましたので、今日会うことになりました。箱庭で遊んでもらいました。落ち着いて遊び始めます。車が好きなのでしょう。箱庭療法は言葉には出せない思いを、砂の中に表現していきます。カウンセラーがそばにいて、いろいろ静かに見守りながらといった形を取る人もいます。自由に一人で遊んでもらいました。その中に、恐れたものは少ないと思いました。

 砂の上に、何も置けない人もいます。無理して箱庭を進めてはいけないケースもあります。

優しい、落ち着いた作品を作りました。大丈夫です。好きなものと向き合うことによって、自分の立ち位置を見つけます。置くものがみんな意味のあるものでした。

お母さん、お父さんにその間に話を聞きます。

 「早く」の言葉にいつも問題が起こることも、親子相互に両方で確認です。「早くしろ」「早く走れ」歩くのも走るのもわかるけど、「早く走る」のは、どこまで走ったら「早く」になるのかわからないと答えます。「あいまいな言葉は、できるだけ使わない」、同じ内容の声掛けは3回などと、具体的に話し合います。

 優しい子どもです。ラインの言葉は、時に多くの誤解を招きます。一言で、本当はそういう方向ではなかったのに、想定外の方向に進むこともあります。

この頃は、こうしたスマホ、ラインのいじめが目立ちます。SNSのように、一度拡散されるともう消すことができなくなるのも、このごろのいじめ相談に多くなってきました。

 お父さんもお母さんもよく子どもさんに向き合ってみえました。

支えてくれる家族がありました。理解してくれる家族がありました。宿題が出来ていないのも、学校に行けない理由のひとつです。「やろうと思う。やらなければと思う。でもできない」

 宿題も、学校に行けない理由のひとつです。文を書くのが苦手な子どもがいます。全員、同じ内容の宿題を出してはいけません。私は学校の授業の中で、読書感想文を終えさせました。

1行の文を書くのに、何時間もかかる子どもがいるのです。みんな同じ量、同じ内容の宿題はいけません。もつれた糸がほどかれ、誤解が解かれ、家族がもどります。

 海外のように、宿題のない夏休みが大切です。

ひとつひとつ、家族間でのもつれた糸もほぐしました。「死んではいけません。」

「はい」明るい声で答えてくれました。明るく笑顔で車に乗っていく家族がいます。

ゆずりは学園の駐車場に、風が秋の装いを連れてきました。