3月7日の日曜日、前川氏の講演を聞いて、2020年の2月全国休校の国の決定に、「感染者が出ていないのだから、休校にはしない」の考えで、休校にしなかった自治体が、島根県、埼玉県、岡山県の美作市、島根県の松江市、出雲市、安来市・・沖縄県の石垣市・・など。さらに、3月16日時点で、開校している公立学校は4.5パーセントあったという報告に、改めて今回の全国一斉の休校の「人災」を知りました。479人の子どもの自殺は、防げたのではないかと驚愕の事実です。

 初めての国の、そして県の緊急事態宣言の「一斉休校」の余波は、今も大きくあります。それに輪をかけるように、愛知県は私立の高校の無償化も加わった2020年でした。

 経済的に楽になることもあり、通信制高校はさらに進路の選択から離れました。同時に少子化で、公立高校の定員割れもあり、実に多くの子ども達が、学校と言う選択から、家庭の中に入り、社会に背を向ける状態が、今も続いているのです。

 卒業式の準備で、あわただしい時間を送っていた昨日、一人の中学校長が学園を訪問しました。

今年は不登校が少ないけど、来年度は多いと言われました。毎年、学年の特徴というものは、確かにあります。しかし、このコロナ禍で、全国の自殺者がこんなにも多く、それでも不登校生徒の数が少ないという事態に、文科省の鈴木慰人・生徒指導室長の「コロナ禍が関わっているはずだが、何が起きているのか」、2020年の2月から2021年の3月の今も、「急に消えた子ども達」がいます。

 休校が確かに行われているのかを証拠として、校舎の張り紙を写メで送らなければならなかった4月5月。キリシタンの踏み絵のような、感じがしたのですが、「休校にしなかった学校もあった」と言う事実の真相部分、いろいろな情報の渦の中にまだいる私達です。

 いったいこの前例のない事態に、どう一番影響を受けやすい子ども達を守ることが出来るのか、答えが見つかりません。

 コロナ禍で、ほとんどのイベントは中止でした。ゆずりは学園では、対面授業は個別で、実施できたのですが、友達とのかかわりだけは大きく制限されました。学園祭やクリスマス会、消防署からの人命救助講習、浜松医大の性教育授業もすべて、オンラインでした。修学旅行も中止でした。

 高校生活最後の3年生が、11日、多くのイベントがなされないまま卒業していきます。就職先も不安定な会社もあります。進学先もオンラインで、登校しないまま進級する大学もあります。

 「ずっと家にいるから、なんか辛い」という声がさらに大きくなります。どのように子ども達の心に寄り添えばいいのか、「急に消えた子ども達」の深い悩みは、ますます目に見えない状態になります。