今日は、終戦記念日です。戦争を知らない大人も子ども達がもうかなり多くなっています。私自身も母親から終戦後の食糧不足は聞かされましたが、畑があり、さつまいもの根を食べるといったこともなく育ちました。

 「この部屋は昨日大林宣彦先生が泊まられていたんですよ」と言われたのは、もう14年以上も前のことです。長野県の老舗の旅館です。部屋には露天風呂もあり、庭も広く、教科書で大林監督の映画作りの文章を子ども達に教えていた学校現場のことを思いながら、旅館での時間を過ごしました。尾道三部作の「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」などの映画を作り、「戦争という現実と平和という虚構を映画で描く」映画監督です。

 静かに時が流れ、昭和から平成、そして令和になり、戦争を知らない大人がまた戦争への開始ボタンを持っているような気がするこの頃です。今日の中日新聞に「終戦後間もなくのある日、母親はきっと僕を痛くなく、優しく殺してくれると思ったら、安心して寝てしまい、朝ニワトリの声を聞いて、ああ僕はまだ生きている」という監督の記事が載っています。頭の上の短刀は使われることなく、一人の映画監督は戦争という現実、広島への想いを私たちに届けてくれました。

 台風の近づくゆずりは学園に行き、17日の学園祭に使う流木の袋を雨から守るために運び、子ども達の居場所としての大きなテントを外してきました。また明日の準備には、スタッフさん達も来て、準備し直しです。当日はテレビ取材もあります。動物ふれあいコーナー、飯盒炊飯、流しそうめん、NICEの若者も福岡、京都、埼玉、東京、神奈川、静岡などからボランティアに来てくれます。初めての人も8名、リピーターの人7名。ゆずりは学園が多くの若者の居場所にもなっています。平和を若者や子ども達に残すのが、私達の大人の責任です。