保護者会が済み、卒業式の準備に取り掛かっています。久しぶりにゆっくり新聞を読む時間ができました。今日の読売新聞に「あれから」の記事が載っていました。その記事がとても興味あり、読んでいたら、4歳の孫がいろいろ聞いてきます。もし、この子が山が好きで、登山に向かうことがあり、こんな遭難からの「山岳救助史の奇跡」の知識が役立つことがあればと、一緒に新聞を読み聞かせです。

 2010年、一人の青年が遭難。いつもは出している登山届がポストを見落として提出していなかった。山頂で休憩。下山に「せっかくだし、別のルートで降りてみよう」の判断。結果、滑落。左足からは吹き出す血、持っていたシャツを切り裂き、しかし、血は止まらず、映画で観たシーンを思い出し、ナイフを火であぶって血が止まる。3日目、巻きつけたタオルの中に多くの蛆虫。ふもとでは、家族が捜索願。埼玉県警の山岳救助隊が7日間探す。しかし、登山届がないため、空費する日々。指名手配写真を配る家族。すると駅前のレストランの店員さんが、この人を見たとの情報。やっと登山の山が判明。

一方、青年は持っていた飴7つもなくなり、アリやミミズを食べ、自分の尿を飲み、時間だけはあるが体力も気力もない。「もう死んだ方が楽かな」と思うようになる。

 一人のボランティアの人からの、「きのう、沢のあたりでカラスがたくさん鳴いていた」の情報。

救助のポイントが決まり、その青年を見つけたという記事です。

 青年の自分でキズの処理、生きる家族、恋人への思いと、自然界の、「カラスが飛んでいないから、まだ青年は生きている」の山を知っている人々の知識。カラスは青年の足の腐敗臭に集まったとの予想も、生と死の大きな分かれ目でもあります。足も切断せず、名医の技で自力で

歩いている写真が掲載されていました。山岳遭難13日間の存命救助は奇跡だったようです。

 この3月で卒業する生徒達。卒業旅行に行ってきたと話す生徒、大学受験を今日済ませた生徒からは「ママさん、テスト終わったよ」と報告の電話。

 あと少しで社会に出ていきます。自分でもしっかりと前を向き、また周りの人々に支えられながら、新しい道に進んでいきます。カラスが青年を助けてくれました。「ここにいる」と。生きていてほしいという神様の導きでもあったかもしれません。