学校が荒れて、いろいろな事件を起こし、「それでも先生の声だけは聞こえたよ」

と言った教え子は、中学卒業後もいろいろな事件を起こし、警察に逮捕され、少年院に

送られ、出てくると必ず私のところに来て、そのたびに「お帰りなさい」と迎えてきました。

その彼が今社会の中で働いています。何よりのまじめに働いています。

その彼が言った言葉に「少年院の先生に出会って、僕は変わった」という言葉は、今も

忘れられません。そして、「両親が離婚しなければ、僕はこうはならなかった」と言う言葉も

重い言葉でした。

 

18歳以上の子にとって、少年院は最後の安全網と言うのは、

矯正の現場にいらした元浪速少年院長の菱田律子さんの意見です。

この4月20日に、少年法改定案が可決されました。

18歳19歳を「特定少年」として厳罰化するという法律改定です。

 

現行の少年法では、殺人や傷害致死、強盗などさまざまな対象事件に対して、少年が

家庭裁判所に送致され、生い立ちや事件の背景を調査し、それぞれに応じた

処遇が行われてきました。

 

菱田さんの言葉に「事件を起こす前、少年たちの多くは家庭での虐待や学校でのいじめ、

地域社会での暴力など、被害経験を持っています。その少年達が少年院送致となり、福祉的

教育的支援を受け、個別担任が少年の内面にある言葉を紡ぎだし、時間をかけて自分と

向き合う、その機会を今回の改定では奪うものになる」と言われています。

 

昨年度の私の講演会に来てくださった多田 元弁護士もいつも「子どものパートナー」です。

子ども達を守るのが大人です。

 

法律も子どもを守るものであってほしいです。