新聞、ニュースを見て、小さな子どもや小学生が親の虐待などにより、本来は愛されるべき家庭の中で、殴られたり、蹴られたり、食事を与えられなかったりして、短い命を終える事件が多く見られます。自分の子でさえ、愛せない親もいます。

 またひきこもりになってしまった子どもが、そんな自分の今の生活を、唯一本音を訴える親に向かう時、時には「こんな自分にしたのは、誰の所為だ?お前たち親が悪い」と心からの叫びになった時に、親への怒りが悲しい親殺しにもなってしまうケースもあります。

 子育てに教科書はありません。「なぜ子どもを愛せないのだろう」と悩む親もいます。同性の子どもは愛せるけど、異性の子どもは可愛くないと言う親もいます。同じ自分の子どもなのに、どうしても差があると言います。一つ一つに心理学的なある程度の対応がありますが、深く確実なる解決方法は、育った環境、今の環境、周りのすべてを考慮しての、長く真剣な専門家にゆだねることしか、道はないのかもしれません。それでも、こうしている間にも、親による虐待で泣く子どもがいて、子どもからの家庭内暴力に怯え、苦しむ親がいます。

 本来落ち着く家庭の中が、決して落ち着く居場所ではなく、「家に帰りたくない」という子どもがいます。また「家に帰りたくない」親がいます。

 家族になることは、本当に難しいのです。「もうひとつの家族」として、子ども達の居場所作りを進めています。育った環境、今の環境、みんな違います。それでも、どう人間としての道を探り、今を見つめて支えていくしかありません。今日は、ゆずりは学園保護者会です。父兄の方々と直接、子ども達の今を、未来を話す大切な時間です。