教員免許を失効しながら、官報に氏名が掲載されなかった教員は61人になるそうです。教育委員会で、教員免許法が順守されていない実態が、大きく報道されました。2013年に中学3年だった少女が男性教員からわいせつ行為を受け、その1年後自殺されたとのこと。

 今回の問題は、そうしたわいせつ教員が、その後も教育現場に残り、再び問題を起こすことの危険性をあぶりだしています。処分歴を隠し、別の市に転居、また学校で同じような行動を繰り返す問題になっていくのです。教員が不登校生徒を作っているというケースは多いです。相談の中に、「あれ、このような教師の言葉、前にも聞いたことがある」と思って、教員の名前を聞くと、同じだったということがあります。潮風の電話の少女も、教員のいじめがスタートでした。その少女が自殺した後に、その教師から手紙が届いたとき、お母さんの怒り、悲しみ、憤りは、今回の記事と同じです。亡くなった命はもどらない、にも関わらず当の本人は平気で生きている。

 今回出版した「海と森に囲まれたもうひとつの学校」の第5章に「教育現場に想う」を載せました。

148ページに「子ども達を本当に正しい道に導いて欲しい」のタイトルがあります。

「指導や面談という言葉で、自分の学校の児童、生徒にわいせつな行為をしていた教師の数が496人、2015年から2019年までの5年間、わいせつな行為で処分された教師は1030人、その半数が勤務校でのケース」

学校とはいったい・・・私の本を岐阜県に住む元高校教員の先生から、本を注文され送りました。その先生から手紙が届きました。

「退職してから12年が経ちました。しかし、いじめ問題や不登校の問題が新聞やテレビに出るたびに、

いったい教育現場で一番大切でしなければならない仕事は何なんだという憤りがいつもありました」

 現場の先生方に読んで参考にしてほしいと思っています。しかし、なかなか学校現場からの反響は少ないように思います。読む時間がないのか、それとも読みことが怖いのか、若い先生方が育ってほしいのです。生徒に尊敬される先生になってほしいのです。

子ども達にも激動の1年でした。大人にとっても、保護者にとっても、一日一日が苦しい時間です。学校現場は、学校を守る、学校のメンツを守る、保身のために、動くのもあります。教育委員会もという今回の読売新聞の記事は、日本のどこでも起こりうることであり、文科省の全国での教育委員会にメスが入るのは大切です。

子ども達、生徒を守ってほしいです。不登校の生徒の相談は、増えています。