3月9日の第18回 卒業式。
卒業生の席の後方に立っている潮風の電話ボックス。
今も彼女はそこにいます。
「泣いてなんかいません」と言う歌の言葉にある通り、
彼女は、この世の方が生きにくい生徒でした。
もう冷たくなった彼女は本当に幸せな顔をしていました。
「やっと、自由になった」と言う顔をしていました。
でも、生きている私たちは苦しみ、悲しさの方しかありません。
今日は東日本大震災が起きた日です。
朝は「行ってきます」の声と姿。
でも、「ただいま」の声も
「おかえりなさい」の挨拶もない日。
泥だらけの遺体。
ランドセルしか見つからない。
せめて、体を見つけたいと探す家族。
命の重さは、どこも同じです。
戦争も震災も自殺もみんな悲しいです。