一人の青年からの、救急の連絡があり、家に連れてきました。この薬を服用してから、調子が悪いと病院に連絡していたようです。すると、とんぷくを飲むように指示され、飲んだとのこと。家に連れてきて、夕食をして、「うまく噛めない」と言います。また薬を飲みました。とんぷくものみ薬も同じぺロスピリンです。頓服は一日一回と辞書には書いてあります。昨日からずっと飲み続けています。

 私は医師でも薬剤師でもありません。しかし、不思議な世界です。

 風呂を出て、着替えも自分で出来ません。体は震えています。筋肉もこわばっていると感じました。まともに歩けません。そこで初めて、この薬の副作用をインターネットで調べました。

 振戦、手足の震え、筋強剛、不眠、眠気、発疹、紅斑などの症状が出たら、担当医師に相談と書いてありました。背中に紅斑が14か所出ています。

 病院に電話しました。薬が本人に合わないと思うとの薬剤師の答えでした。薬の効果は、6時間が強いとのこと。就寝用の薬が飲みたいと言いますが、私がとにかくこんな状態だから、6時間はがまんしようと言いました。がまんすると答えてくれました。素人ですが、こんな体が震え、部屋を歩き回っているのを見ると、どうにもまた薬の投与は怖いです。

 医師の指示通りの青年です。でも、今は、この薬があなたには合わない、だからもう少し次の薬は飲まないほうがいいと言いました。

 病院の薬剤師は「お母さんが心配なのはわかる、でも薬剤師の味方になってしまいますが、その睡眠導入は飲んでもいいと思う」と言いました。

今日は、青年の傍に私がいます。「すみません」と答える青年。

 愛知県の職員のように、保護した老人を処置に困り、公園に置き去りにした事件が今日、報道されました。行政のすることにも限界があります。日曜日には、終電で病院から帰ってきたこの青年を、駅まで迎えに行き、自宅に送りました。そして、今日家に連れてきました。

家族のない青年です。でも、どこかこうした苦しみを持つ青年たちに寄り添う何かがあってほしいと思います。明日は病院に連れて行きます。薬は怖いと思います。