燃え尽き症候群のような状態です。学習に意欲を示し、行動し、笑い、話し、何の疑問も違和感も感じなかったのですが、ある日、突然に教科書を開かず、外に出る回数が減り、また洋服に意識しないようになり、部屋からは出てくるのですが、今までの生活と変わってきました。

 「なぜなんでしょう」と家族も言います。

「どうした?」と私達も思います。

家庭訪問に切り替えました。電話で呼び出しても動かないからです。

会うと、今までの生徒です。にこやかな状態です。でも、前の生徒とは違います。静かに笑いますが、そこに「生きている生気」をあまり感じることができません。課題をやります。嫌がりはしませんが、喜んでといった感情のプラス面はありません。家族と話しながら、課題をします。

 通信制高校ですから、レポート学習と面接指導の二つをしなければなりません。面接指導のスクーリングも完全に終わっています。後は、レポートだけです。そのレポートもあと後半の学習になっています。それが終わると、卒業や進級の方向に向かいます。

 このケースは、卒業です。今までの相談のケースで、もしかしたらと思うことがあります。

「卒業したくない」のではないかの思いです。

 順調に今まで来ているのです。家族も寄り添っています。一つの相談ケースを思い出しました。

大学を卒業したくないとの思いで、大学の教室には行かず、好きなサークルには出かけるのですが、授業には行きません。能力は高いのです。一流の大学です。国立の大学です。大学は卒業しませんでしたが、社会には出ていきました。今は立派に働いています。その青年も「ある日突然に」のケースでした。多くの事例ではありませんが、支援体制の方向を探らねばなりません。