今日からまた学園が始まります。この夏休み、3人の生徒さんが入学してきました。ルールを重視しなければならないのも分かります。でも気持ちがそのルールに付いていけない時もあります。どこでもいい、その自分の気持ちに合った学校を選んでいけばいい、中退するよりは。

 久しぶりと言っても、1週間の夏休みですが、生徒たち、今日はレポートよりはみんなとお話やらサッカーやら時間を楽しんでいます。その中で、海の方から生徒たちが帰ってきました。「大きな亀がいたよ」と口々に教えてくれます。その中にあのボート事件で、学校に行けなくなり、ゆずりは学園に通うようになった生徒がいます。当時は海を見るのも怖い、ボートの言葉を聞くと震えるなど、さまざまな症状がありました。その生徒が、今年の8月、水着に着替え、海に入り、みんなと遊んでいました。あの悲しい、友達の死を目の前で見た日から、中1、中2、中3、そして高校1年、2年のこの8月に自分から海に入ったのです。長い年月がかかりました。でもやっと海に向かいあえたのです。8人の仲間が傍にいました。

「自分で乗り越えるとやっと本当に乗り越えたことになるのですね」

たまたま、今日私の友達が、パリに1年滞在してみえた大学の先生を連れて見えました。そして、その海の話をしたときに、そう言われたのです。本当に、自分で克服しなければ解決しないのです。他人がカウンセラーが何を言っても駄目でした。5年もの年月がかかりましたが、でもやっとこれであの事件から、自分を取り戻すことができたのだと思います。生徒たちが海から上がってきます。笑顔が本当に嬉しいです。