フリースクールの海開きの日です。
午前中は、学習をしています。
食事をして、それぞれが海に入る準備をしている時に、
「ママさん」と一人の人がやってきました。
小さな子ガモを手に乗せています。
道路の真ん中に倒れていたと言います。
母親の後ろを歩いていた時に、車にはねられたのでしょうか。
まだ生きています。しかし、毛がむしられています。
カラスにねらわれていたようです。
準備をしていた子ども達が寄ってきます。
スマホで、どう介護をしたらいいか調べます。
難しい。そのうち、「あ、死んだ」
確かに、かすかに動いていた心臓がもう動きません。
子ども達でお墓を作ってあげることになりました。
お墓の場所を決めて、プランターの花を摘み取り、
丁寧に葬式をします。
しばらくすると、子ガモを拾ってきた青年が、
「ママさん、子ガモを埋めてくれた子どもたちにジュースを
買ってあげて」と1000円を持ってきました。
「世話をかけちゃったから」と言います。
子どもたちの親が「いいえ、私たちこそありがとうと言う気持ちだから」
真っ赤な顔の子ども達、ジュースを頂いて海に向かって
行きました。子ガモは救えなかったけど、小さな命を思う熱い心を見ることができた時間でした。